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成約事例一覧
後継者不在の管工事会社が、東京の住設機器卸売会社のグループ会社に参画。従業員の雇用維持と地域での事業継続を実現
売主の背景・課題
青森県で長年地域に根ざした管工事会社を経営してきたオーナー。業歴30年以上の信頼ある会社だったが、体力的な限界と後継者不在という二重の課題を抱えていた。従業員を路頭に迷わせたくないという想いが強く、「地域での事業継続」を最優先条件として売却を決意した。
なぜM&Aを選んだか
廃業も選択肢にあったが、離職率が極めて低い会社であることが社長の自慢であり、自分を慕って長年苦楽を共にしてくれた従業員たちの雇用を守ることが何より重要だった。M&Aであれば、従業員を守りながら事業を継続させることができる。地域の取引先との関係も維持できる。そう判断してM&Aを選択した。
アドバイザーの関わり方
住設機器の卸売事業を東北エリアに拡大しつつ、施工の内製化もしたい意向を持つ東京の会社とのマッチングを実現。管工事の現場力と卸売業のネットワーク・資金力が補完関係にあることを双方に丁寧に説明し、条件面での合意形成をサポートした。従業員の雇用条件の維持を契約条件に明記することを強く主張した。
成約後の変化
全従業員の雇用が維持され、地域での事業継続が実現した。オーナーは売却後も一定期間、顧問として会社に関わりながら円滑な引き継ぎを行った。
担当者コメント
「従業員を守りたい」というオーナーの想いを、条件交渉のあらゆる場面で主張し続けました。また、社長の他に役員経験5年以上の人材がいないという、いわゆる経営管理責任者の問題もありましたが、許認可のプロとして解決の糸口を提示させていただきました。数字だけでは見えない会社のいいところ、危ないところの全体像を把握したうえで会社の価値を顧客に伝えることが、私の最も重要な仕事だったと考えています。
合同会社ツギテラス 代表社員 清水将隆
同業の電気設備工事会社同士による再生型M&A。M&A後、技術・人材・取引先のリソース共通化により競争力を強化
売主の背景・課題
職人を30人ほど抱える堅実な電気設備工事会社だったが、主要取引先の大型プロジェクト頓挫により突然資金繰りが悪化。売上早期回復と資金繰りが喫緊の課題になっていた。この一件からオーナーは職人気質の自身の経営能力に疑問を抱くようになり自分ではない別の経営者が会社を舵取りしたほうが、従業員のためになると判断。優良な取引先を有し、営業力の高い同業の会社の傘下に入ることで、従業員にも安定した労働環境を提供できると考えM&Aを決断した。
なぜM&Aを選んだか
「自分の生活以上に社員の生活を守る責任が俺にはある」と、全責任を背負って会社の清算と従業員の再就職先の探索を社長自身がしていたが、会社も従業員も守れるM&Aという選択肢を知ることになる。守りのM&Aの側面だけではなく、自社の技術を活かしながら、自分の営業力では獲得できない大きな案件にも対応できる体制が整うのは、従業員のスキルアップにも繋がるという攻めの戦略にもなると考え、M&Aが最善策だと判断した。
アドバイザーの関わり方
双方の技術者・現場の強みを詳細にヒアリングし、M&A後のシナジーを具体的な数字で提示。同業同士だからこそ生じやすい「文化の衝突」を未然に防ぐため、従業員処遇・組織体制について事前に丁寧に条件整理を行った。
成約後の変化
M&A後は受注可能な案件が拡大し、大型プロジェクトへの参入が実現。売手オーナーは職人としての腕を活かして、現場責任者として引き続き事業に参画している。
担当者コメント
同業同士のM&Aは、数字の合意以上に「人と文化の統合」が難しいものです。共に業界のことを熟知し切っているからこそプライドもあり衝突が生じます。売手オーナーは「社員のためなら俺は無報酬でも会社に貢献し続ける」と決意を示され、その言葉に感銘を受けた買手が本件を救済ではなく相互成長のためのM&Aと捉えるようになったことが非常に印象的でした。資本関係上は親子の関係にはなりますが、根底に互いへのリスペクトを持てたことが成約の1番のポイントであったように思えます。
合同会社ツギテラス 代表社員 清水将隆
地域密着の自動車整備会社が、地域経済を重視する銀行系ファンドへ。勇退後は長年の夢を実現
売主の背景・課題
オーナーは「社長になりたい」の気持ち一つから生まれ故郷で独立。以来30年以上かけて地元に愛される自動車整備会社にまで成長させてきた。50歳を過ぎた頃から仕事に対する熱意が失われていることにふと気がつく。代わりに今まで自分と会社を支え続けてきてくれた生まれ故郷に恩返しがしたいという気持ちが強くなる。そこから社長は引退を考え始めるようになった。地元では名の知れた企業にまで成長した会社を閉めることは考えられないが、息子も娘も全く異業種で会社を継がないといわれてしまっている。右腕の社員に承継しようにも資金面と個人保証の不安から歯切れの悪い答えしか得られなかった。M&Aをするにも、県外の大手資本に吸収されて地元が蔑ろにされることもしたくない。自分が引退した後も地元に貢献し続けられる会社でいるためにはどうすればいいのか頭を悩ませていた。
なぜM&Aを選んだか
地域に根ざした買手さえ見つかれば、M&Aが最善の選択肢だった。地元の銀行と関わりの深い投資ファンドであれば、地域への関与と事業継続の意思が担保されると判断した。
アドバイザーの関わり方
「地域貢献」を最優先とする買手を意図的に絞って探索。県内に拠点を持つ銀行系ファンドにターゲットを定め、定量的に投資妙味のアピールをしつつも、オーナーの地元愛、地域への貢献を前面に出したアプローチで交渉を進めた。ファンドの性格や投資方針を細かく調査し、オーナーの不安を取り除く情報提供を続けた。
成約後の変化
従業員の雇用が維持され、地域での整備サービスが継続。ファンドの経営支援によって設備投資が進み、サービス品質の向上にも繋がった。
担当者コメント
ドラマやニュースでファンドが「悪役」に仕立て上げられる影響もあり、ファンドへの売却に不安を感じるオーナーは多いです。実際に買収後に会社の資産を切売りしたり、大規模リストラを断行するといった一般的なイメージ通りのファンドも存在します。しかし、ファンドにはそれぞれ投資方針があります。永続保有、M&A前提、従業員承継前提など各ファンドには特色があるのです。本件ファンドは、地域内での投融資が原則であったため、エグジットも同じ地域内を念頭においていました。イメージや先入観からファンドを毛嫌いする方もいらっしゃりますが、本件のようにオーナーの価値観と合う相手を選べば、ファンドへの譲渡も地域貢献に繋がります。本件はそれを証明できた事例であるように思えます。
合同会社ツギテラス 代表社員 清水将隆
映像コンテンツ制作力を持つ番組制作会社が、教育DXを目指す日本語学校グループに参画
売主の背景・課題
テレビ・映像制作を手がけてきた会社だったが、レギュラー番組が終了するとともに売上維持のための新規営業が急務となっていた。しかし専任の営業担当者を雇う余裕はなく、制作力を活かせる安定した販路を外部に求めていた。
なぜM&Aを選んだか
廃業ではなく、映像制作の技術・人材を活かしながら新たな販路・商材を確保することが目標だった。買手企業代表者の広い人脈と紹介力が、自社には持てないものだと判断しM&Aを選択した。
アドバイザーの関わり方
日本語学校代表者が持つ芸能・メディア関係の人脈に着目し、番組制作会社の映像技術を活かした縦型ショート動画制作や芸能人養成ワークショップという新たな商材拡大の可能性を双方に提示。販路のない制作会社と、コンテンツ力を求める買手の利害が一致した。
成約後の変化
縦型ショート動画の制作案件が稼働し始め、ワークショップ事業も立ち上がり段階に。レギュラー番組に依存しない収益源の多様化が実現した。
担当者コメント
この案件の核心は「人脈の移転」でした。買手は日本語学校のみならず、複数事業を経営するいわゆるやり手経営者です。多角的に事業展開する中で培われてきた人脈があること、買手代表のバックボーンが企画・マーケティング畑であることは、買手と密にコミュニケーションを取れていないと気がつかないものです。買手代表者が持つ業界ネットワークが、制作会社にとって即戦力の営業力になる——その仮説を丁寧に検証しながら進めた案件でした。
合同会社ツギテラス 代表社員 清水将隆
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